超京都/Cho Kyoto 2013

10/4 fri-6 sun

このたびYoshiaki Inoue Galleryは、超京都2013「現代美術@平成の京町家」に出展いたします。第3回目となる超京都は、会場を「平成の京町家モデル住宅展示場KYOMO」に移し、伝統的な広報や地域産材によって建てられたモデル住宅5棟を舞台に行われます。

映像作家 水谷イズルが、サウンドアーティストの日栄一雅とのコラボレーションで完成させた作品
「SHIFT」を発表致します。

今回、サウンドアーティストの日栄一雅さんとコラボレーションをさせていただいた。
煙の形状によりリアルタイムで音と映像に変換するプログラムを書いていただいた。アイデアも出し合って本格的なコラボレーション作品となった。
会場に鳴り響く音は、物質が非物質へと変換するときに上げる歌声であり、日本の雅楽で使われる「笙」の音を使っている。この笙の和音は煙の振る舞いに伴って変化してゆく。
日本古来の文化が伝わる京都にちなみ、線香と雅楽器という極めて東洋的な要素をつかうことで、東洋の時空間の観念にふさわしいインスタレーションとなったと思っている。
2013 9  水谷イズル

水谷イズル/Izuru Mizutani – Reflection 9.11~3.11 –

10/15 Mon-11/10 Sat 2F,3F

世界を震撼させた9.11アメリカ同時多発テロから既に11年の歳月が流れている。そして昨年3.11 震災と津波、原発事故。世界はめまぐるしく移り変わっている。アートはまるで鏡のように時代を映し出す。
未来は人の心の中から生まれてくるものなのだと思う。アートは人の心に作用する。できればこの先の見えない時代に一筋の希望の光を灯すことができれば幸いだと願っている。

超京都 水谷イズル – a mirror of Kairos 2011 –

2011.11.11.fri-13.sun

会場:渉成園(東本願寺別院)
京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町

カイロスの鏡 2011  a mirror of Kairos 2011

ギリシア神話では、クロノスとカイロスという二人の時を司る神が登場します。
クロノスは時計で表される客観的な時間を、
カイロスは一人ひとりが感じる主観的、心理的な時間を司っています。

合理的には時間はすべての場所で同じように流れていると考えられていま
すが、実は一人ひとりが自分だけの時間をもっているのではないかと感じ
ています。(同じ1時間が永遠に長く感じたり、あっという間に過ぎ去るように感じることもあります。)

私は銀閣寺(慈照寺)が大好きでたびたび訪れます。銀沙灘、向月台など、(創建当時とは異なっているようですが)およそ500年前の寺の庭とは思えない、抽象的な意匠に驚き、またその精神性の高さに畏敬の念をいだいておりました。
浅学のため、詳しい知識はありませんが、向月台は月を迎えるためのものと伺いました。金閣寺の日輪(昼の思想)に対して、銀閣寺は月(夜の思想)を表しているとも聞きました。この作品は私なりの銀閣寺へのオマージュです。

日本の神話では、時を司るのは「月読命」(つくよみのみこと)とされています。(農耕文化の影響もあったのでしょう。)
月の運行は潮の満ち引きにも影響を与え、満月の夜に人が多く生まれるなど人の生体にも影響を与えているとも言われています。

身体の時間と天体の運行は繋がっているのかもしれません。
私たちの日常は時計(客観的な時間)に支配されていますが、
心静かに瞑想して、日常の時間とは別の、自分の内的な時間と天体の運行を感じていただければ幸いです。

2011.10
水谷イズル