Art Basel Hong Kong 2025

嶋本昭三の芸術と革新

Yoshiaki Inoue Galleryは、アート・バーゼル香港にて、戦後日本を代表する前衛作家・嶋本昭三(1928–2013)の作品を紹介いたします。
嶋本昭三は、大阪市に生まれ、関西学院大学在学中に具体美術協会の創設者・吉原治良氏に師事。氏のもとでその革新的な創作姿勢が高く評価されました。制作初期には経済的制約から新聞紙を支持体とした作品を手がけており、その過程で偶然生まれた「穴」に着目。これを新たな表現として昇華させ、「穴の作品」として発表しました。この作品群は、絵画というメディアが二次元から三次元へと拡張しうる可能性を示すものであり、1954年の具体美術協会発足時には創立会員として参加しました。
なかでも代表作の一つである「瓶なげ絵画」では、従来の筆を使う手法から、大砲の筒や瓶に絵具を入れてキャンバスへ投げつけるという、極めて独創的な手法を採用。創作のプロセスそのもの、また偶発性をも芸術として取り込む姿勢は、従来の絵画観に大きな変革をもたらしました。

嶋本は具体美術協会解散後も、「誰もやったことのないことをやれ」という吉原氏の理念を体現すべく、メール・アート、女拓(にょたく)、ヘッド・アートなど、前例のない新たな表現手法を次々に展開。芸術の可能性を拡張し続けました。
さらに嶋本は、芸術を通じて社会課題にも積極的にアプローチしました。人種差別や性差別、環境問題、障害者支援といったテーマに対し、深い共感と優しさをもって取り組み、芸術の新たな可能性を探求し続けました。
嶋本の作品は、今なおポジティブなエネルギーと独自の美学により、世界中のアートファンを魅了し続けています。この機会にぜひ、アート・バーゼル香港にて嶋本昭三の革新的な作品をご高覧ください。

香港コンベンションアンドエキジビションセンター
2025年3月28日–30日
Insights、 Booth3D22

Shozo Shimamoto — Art and Innovation

Yoshiaki Inoue Gallery is pleased to present works by one of postwar Japan’s leading avant-garde artists, Shozo Shimamoto (1928–2013), at Art Basel Hong Kong.
Born in Osaka, Shimamoto studied under Jiro Yoshihara, the founder of the Gutai Art Association, while attending Kansei Gakuin University. Under Yoshihara’s guidance, his innovative approach to artistic creation was highly acclaimed. In the early stages of his career, due to financial constraints, Shimamoto created works using newspaper as his primary medium. It was during this time that he discovered the expressive potential of accidental “holes” in the material—an element he elevated into a new form of artistic expression, presenting them as his signature “Hole Works.” These works demonstrated the possibility of expanding painting from a two-dimensional medium into the realm of three dimensions. Shimamoto became a founding member of the Gutai Art Association upon its establishment in 1954.
Among his most iconic works is the Bottle Crash Painting series, in which he moved away from traditional brush techniques and instead adopted a radically original method: filling bottles or cannon-like tubes with paint and throwing them onto the canvas. This approach embraced both the creative process and the element of chance as essential components of art, marking a dramatic shift in the conventional understanding of painting.
True to Yoshihara’s dictum—“Do what no one has done before”—Shimamoto continued to pioneer groundbreaking modes of expression, including mail art, Nyotaku (body printing using female models), and head art, among others. Through these experimental practices, he consistently pushed the boundaries of artistic possibility.
Shimamoto also actively engaged with pressing social issues through his art. With deep empathy and compassion, he addressed themes such as racial and gender discrimination, environmental concerns, and support for people with disabilities, continually seeking new ways for art to contribute to society.
Even today, Shimamoto’s works captivate art enthusiasts around the world with their vibrant energy and distinctive aesthetic. We invite you to experience the innovative spirit of Shozo Shimamoto’s art at Art Basel Hong Kong.

Venue: Hong Kong Convention & Exhibition Centre
March 28–30, 2025
Insights Booth 3D22

交差する未来 ― パトリシア・ピッチニーニと北川宏人

April 11, Fri – May 17, Sat, 2025

     

Yoshiaki Inoue Galleryは、2025年4月11日より、現代彫刻の最前線で活躍するアーティスト、パトリシア・ピッチニーニと北川宏人による企画展「交差する未来 ― パトリシア・ピッチニーニと北川宏人」を開催いたします。
本展では、バイオテクノロジーの進化がもたらす新たな生命の可能性を探るピッチニーニと、人間のエゴや欲望が生み出す「理想のペット」を風刺的に表現した北川の作品を並列し、「人間が生み出した生命」との関係性を多角的に問い直します。
未来の生命は、人間の手によってどのように形づくられるのか?
北川宏人とパトリシア・ピッチニーニ、二人のアーティストが描き出す「交差する未来」をぜひご体感ください。

“Intersecting Futures – Patricia Piccinini and Hiroto Kitagawa”
Yoshiaki Inoue Gallery will present the special exhibition “Intersecting Futures – Patricia Piccinini and Hiroto Kitagawa” starting April 11, featuring two leading contemporary sculptors, Patricia Piccinini and Hiroto Kitagawa.
This exhibition juxtaposes Piccinini’s exploration of new possibilities for life brought about by advancements in biotechnology with Kitagawa’s satirical representations of “ideal pets” born from human ego and desire. Together, their works prompt a multifaceted reconsideration of humanity’s relationship with life forms we create.
How will the life of the future take shape through human hands?
Experience the “Intersecting Futures” envisioned by Patricia Piccinini and Hiroto Kitagawa.

Art Fair TOKYO 2025

Yoshiaki Inoue Galleryは、3月7日(金) – 3月9日(日)の期間、東京国際フォーラムにて開催される「ART FAIR TOKYO 2025 (vol.19)」に出展します。
artist:
北川宏人/Hiroto Kitagawa
平 久弥/Hisaya Taira
詫摩昭人/Akihito Takuma
松谷武判/Takesada Matsutani
田原桂一/Keiichi Tahara

Booth:S015
venue:東京国際フォーラム ホールE /Tokyo International Forum Hall E
March 7 Fri – March 10 Sun, 2025 (preview: March 6)

アートフェア東京HP/Gallery site

ユアサエボシ/ Ebosi Yuasa solo Exhibition, ” Yebosi Yuasa Centennial Exhibition “

December 9 – 28, 2024

Ebosi Yuasa solo Exhibition
– ユアサヱボシ 生誕100周年
Yebosi Yuasa Centennial Exhibition –

Yoshiaki Inoue Gallery 2F

ユアサヱボシ(1924年〜1987年)の生誕100周年を記念し、春画シリーズ「涯にて」や過去の大作を含む作品展を開催いたします。

ユアサは、大正生まれの前衛画家として、シュルレアリスムや戦後美術の潮流の中で独自の表現を追求しました。彼の作品は、幻想的なイメージを通じて、戦後日本の時代の影響を映し出し、「見えざる視点」として現代に問いかけるテーマを提示しています。

特筆すべきは、ユアサが「実在しない架空の画家」である点です。しかしその作品は、戦後日本の芸術と社会を新たな視点で見つめ直す契機を提供します。「架空のアーティスト」という枠を超えて、彼の作品は歴史に埋もれがちな記憶を蘇らせ、現代を再考する試みとして位置づけられます。

ユアサ自身は次のように語っています。「架空の人物が徐々に肉付けされ、現実の私が死んだ後、『ユアサヱボシという架空の作家が本当にいた』という“嘘”を歴史の隙間に忍び込ませたい」。

本展では、ユアサヱボシの世界観を体感できるよう、150号の大作を中心に、代表的な6点の作品を展示いたします。この機会に、彼の作品が投げかける時代と記憶への問いかけに触れてみてください。

中辻悦子展/Etsuko Nakatsuji solo exhibition

November 8 – 30, 2024

Etsuko Nakatsuji solo Exhibition
– Where are you from ? どこからきたの –

Yoshiaki Inoue Gallery 2F, 3F

中辻悦子は、広告デザイナーとしての経験を経て、60年以上にわたり「ひとのかたち」をテーマに制作を続けてきました。新作シリーズ「Where are you from?どこからきたの」では、そのテーマをさらに深化させ、独自の視覚言語を通じて人間性やその多面性を表現しています。また彼女は夫である美術家・元永定正氏を支える一方で、出産、育児、家事といった当時の女性が直面する社会的な負担を抱えながら、デザイナーとしても活動するなど彼女の歩みは決して平坦ではありませんでした。
今回の展示では、中辻の長いキャリアの中で進化し続ける表現が、新たな段階に達していることが感じられます。新作絵画では、抽象と具象が融合し、人間の感情や存在に対する深い共感を呼び起こします。点・線・色彩を用いて、人間の存在や揺らぎを描き出し、鑑賞者に人間の内面的な美しさや複雑さを改めて考えさせる作品となっています。
Yoshiaki Inoue Galleryでは、2階に新作100号から200号までの大作を中心に約6点、3階には新作小品と大作合わせて約15点、合計20余点が展示される予定です。この展示を通じて、進化し続ける中辻悦子の作品を多くの方に紹介したいと考えています。

Yoshiaki Inoue Gallery is pleased to announce that the exhibition Etsuko Nakatsuji solo Exhibition, ” Where are you from ? ”

Date : 11.8 fri. – 11.30 sat. 2024
gallery hour : 11:00 – 19:00 , closed on Sunday and public holiday.
Venue: Yoshiaki Inoue Gallery 2F, 3F

北川宏人展/Hiroto Kitagawa solo exhibition

憑依される表層

September 2 Mon.  – September 27 Fri. 2024

北川宏人は1967年滋賀県生まれ、金沢美術工芸大学を卒業後、イタリアのカラーラに14年間滞在。イタリア彫刻、特にテラコッタ(低火度で焼成する土、素焼き約800度)の技術を習得し、アニメなどのサブカルチャーを取り入れた制作に取り組む。2005年に帰国後、作品にファッション性を加えた現代の若者像を制作。2013年頃からは、肌の質感や色の深み、強さを追求し、釉薬をかけて1200度で焼成する。現在、最先端の陶による具象彫刻を制作。
今展では、戦闘系女子の等身大作品と小品を含む新作と、型取りのオブジェに様々なイメージを定着させる新たな手法を取り入れた作品など、約20点を展示します。

井上廣子展覧会情報/information of Hiroko Inoue Exhibition

現在渡独中の井上廣子より展覧会のお知らせです。
これまでドイツでの活動で撮り溜めた写真がムルハイム(ルーア市)の市庁舎ホールで展示されています。今回のポスターでも使われているようにここ数年、彼女は難民キャンプの取材を始めていて報道取材とは異なる女性や子供たちに寄り添う形の活動は広く認知されています。この展示もムルハイム市及びアフリカ、アラブ、ウクライナ、ドイツ人達の厚いサポートを受けたプロジェクトです。

井上廣子/ Hiroko Inoue
Wir haben unsere Geschichte (私達には私たち固有のストーリーがある)

 

会期/Date:6.10 mon. – 7.8 mom. 2024
会場/Venue:Historischen Rathaus (Muelheim, Ruhr)

嶋本昭三展/Shozo Shimamoto solo exhibition

June 10 Mon.  – July 6 Sat. 2024

Yoshiaki Inoue Galleryは具体美術協会の創設メンバーであり、大胆なパフォーマンスでも知られる嶋本昭三(1928-2013)を紹介します。

【嶋本昭三】1928年大阪に生まれる。関西学院大学在学中に吉原治良に師事。新聞紙を貼り合わせたキャンバスに穴を開けた作品「穴」を制作し、その斬新さを吉原に高く評価される。1954年の「具体美術協会」の創立に参加、1956年の第二回具体野外美術展で、鉄管に袋入りの絵の具をつめアセチレンガスで発射する「大砲絵画」を制作。その後、絵の具の入った瓶をキャンバスに投げつける「瓶投げ」に展開。「具体」メンバーの先駆的なパフォーマンスの中で、最も過激だったのが嶋本です。今展では2階に「穴」の作品12点、3階にて「瓶投げ」5点を展示します。

3F

ユアサエボシが参加 国立西洋美術館グループ展

March 12 tue. – May 12 sun. 2024

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
―国立西洋美術館65年目の自問 現代作家たちへの問いかけ―


国立西洋美術館においてはじめて「現代美術」を大々的に展示する機会となる展覧会にユアサエボシが参加します。

過去の芸術作品の記憶はくりかえし読み換えられ、時空を超えて変容しつつ残存してゆく。なかには、歴史的記憶へとおのれの身を投じ、こんにちの世界において過去を別様に「生き直す」ことを試みるアーティストたちもいる。中略
じっさいには1983年生まれでありながら「大正生まれの架空の三流画家」を演じるユアサエボシは、サム・フランシスの活動を1950/60年代に批判的に眺めていたというあらたな「設定」のもと、国立使用美術館が所蔵するそのアメリカ人画家の《ホワイト・ペインティング》と自身の抽象画とをともに展示し、それらの差異をきわだたせようとしている。ユアサは架空の画家をなりすますことで、過去にありえたかもしれない作品を美術史に忍びこませようとする。(展示会場内解説より)

作品:抽象画B、194×130.3cm 他同サイズ二点、計三点の出品

Art Fair TOKYO 2024

Yoshiaki Inoue Galleryは、3月8日(金) – 3月10日(日)の期間、東京国際フォーラムにて開催される「ART FAIR TOKYO 2024」に出展します。
artist:
北川宏人/Hiroto Kitagawa
中辻悦子/Etsuko Nakatsuji
嶋本昭三/Shozo Shimamoto
詫摩昭人/Akihito Takuma
ユアサエボシ/Ebosi Yuasa

Booth:S016
venue:東京国際フォーラム ホールE /Tokyo International Forum Hall E
March 8 Fri – March 10 Sun, 2024 (preview: March 7)

アートフェア東京HP/Gallery site

Collage Works – 時空の断片 – Robert Kushner & John Gall

February 5 Mon.  – February 29 Thu. 2024

Yoshiaki Inoue Galleryでは、美術運動「パターン&デコレーション」の代表的な作家であるロバート・クシュナーと、書籍デザインで知られるデザイナーのジョン・ゴールが手がけたコラージュ作品に焦点をあてた二人展を開催します。

コラージュ(collage)はフランス語の「coller」から派生し、「のりで貼る」を意味しています。この芸術形式は20世紀初頭にキュビスト達によって初めて取り入れられ、写真や絵、文字などを新聞や雑誌から切り抜き、それを支持体に貼り付けて制作します。

クシュナーとゴールはこれまで多くのコラージュ作品を制作しており、クシュナーは百科事典のイラストや図表、古い絵葉書や切手、楽譜、日本の木版画などを使用し、一方でゴールは雑誌の人物像や紙面の切り抜きを用いてカラフルな作品や同系色の紙を重ねたミニマルなもの、そして古い家族写真をカットし再構築した作品まで、多岐にわたる表現を展開しています。

これらのコラージュ作品は、元々の文脈から切り離された過去や現在、そして未来が同居する空間を提供しています。時代や記憶の断片が平面に重なり、鑑賞者に新たな物語や視覚イメージを呼び覚まします。ぜひご覧ください。

コレクション展 – GUTAI works on paper –

December. 11 Mon. 2023 – January. 27 Sat. 2024

具体美術協会(GUTAI)は、1954年、兵庫県の芦屋で結成された前衛美術家集団であり、リーダーの吉原治良を中心に既成の概念を捨て、さまざまな実験的な制作を通じて「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示」しようと活動しました。
今展では、これまでYoshiaki Inoue Galleryよりご紹介させて頂いております作家たちを中心に、コレクションを加えてそれぞれが工夫を凝らした特徴的な紙の作品をご紹介致します。

展示作家:
吉原治良/ Jiro Yoshihara
嶋本昭三/ Shozo Shimamoto
元永定正/ Sadamasa Motonaga
白髪一雄/ Kazuo Shiraga
吉原通雄/ Michio Yoshihara
吉田稔郎/ Toshio Yoshida
松谷武判/ Takesada Matsutani

協力:モトナガ資料研究室

Art Collaboration Kyoto 2023

October 28 Sat, – 30 Mon, 2023

Participating artists : Booth C08
・嶋本昭三/Shozo SHIMAMOTO
・柴田敏雄/Toshio Shibata
・詫摩昭人/Akihito TAKUMA
・ミット・ジャイイン/Mit Jai inn

Guest GalleryにRossi & Rossi(Hong Kong)を迎え共同での展示となります。
Main Venue:国立京都国際会館イベントホール

ユアサエボシ/ Ebosi Yuasa 「涯にて/ at the end 」

October. 2 Mon. – October. 24.Tue. 2023

Yoshiaki Inoue Galleryではユアサエボシ展「涯にて」を開催致します。
ユアサエボシは1924年に生まれた架空の画家に擬態し作品を制作しています。ユアサは、架空の略歴を参考にしながら制作し、架空の画家を演じます。制作を通して架空の人物像が徐々に具体的に肉付けされていきます。
ユアサは自分の死後に、「ユアサヱボシ」という1924年生まれの架空の作家が実在した」という“嘘”を歴史の隙間に忍び込ませたいと考えています。
今展ではユアサエボシによる初めての春画シリーズの大作5点を中心にご紹介します。

【作品解説・春画シリーズ】
母が亡くなったときに、肌身離さず病床にも持ち込んでいた春画の本が出てきた。息子(ユアサヱボシ)の前では今まで一度も出したことのなかった母の隠された性的感情を知り、ユアサは驚きと共にある種の崇高さを感じた。
そこでユアサは幼少期から度々夢で見てきた涯(はて)の光景、それは極彩色の北極、南極のような極地の光景を背景として、そこに母が死の間際まで持っていた春宮図にある性交の情景を組み合わせて描いた。この5枚の作品はユアサの個人的な体験を元に生(性)と死を表現したものである。
(この5枚の作品はユアサの生前に発表されることは無かった。それは描く動機が余りにも個人的な内容であったため、発表を前提として制作されたものではないことや、この作品が描かれた1970年代当時の性に対する規制などの時代背景があったからなのかもしれない。)

Takesada Matsutani & Kate Van Houten – New Prints

September. 4 Mon. – September. 26.Tue. 2023

元具体美術協会のメンバーであった松谷はパリを拠点に半世紀以上にわたる活動をしており、ボンド(ビニール接着剤)を流し盛り上がったキャンバスを鉛筆で黒く塗りつぶす作品が松谷の代名詞となっています。
また、松谷は版画にも力を入れて制作しており、1967年にイギリス出身の銅版画家S.W.ヘイタ-がパリで運営する「アトリエ17」という版画工房に入り、銅版画を学びます。その時期にケイトと出会いともに版画を制作します。1969年の後半頃からはシルクスクリーンの制作も行い、1970年にアトリエ17を辞してパリ14区のモンパルナスに自らの版画工房を作り、スペイン国際版画展をはじめポーランドのクラコウ版画ビエンナーレなど、数多くの国際版画展で入賞しています。
今回の新作版画はケイトと共にパリのモレ版画工房で制作しています。
松谷の精巧な技術と版画に対する深い造詣が作品にどのように反映されるのか、そしてケイトの繊細な表現力がどのように対話するのか、今展は両アーティストの個性と才能をご覧いただく良い機会となるでしょう。

平久弥/ Hisaya Taira 「ESCALATOR PAINTINGS」

September. 1 Fri. – September. 22.Fri. 2023

Escalator #39 / acrylic on canvas / 53×80.3cm / 2022

平久弥(1960~)は90年以降、ニューヨーク郊外、日本の地下鉄のプラットホーム、エスカレーター、そしてニューヨークや東京、大阪の路地裏など、ありきたりな風景をフォトリアリズムの手法でストイックに描き続けてきました。
今展では、平が屋外風景から人工的な光の屋内へと目を向けた始めた2003年から最も多く描いてきたエスカレーターの新作群を発表します。

平のエスカレーターは都市の喧騒や動きの中で、あまりにも当たり前すぎて見逃されがちなエスカレーターの美しさや機能性を捉えています。現代の都市を生きる人々が、複層化された空間の内部を斜めに上下移動するための装置「エスカレーター」。平の視点で切り取られた風景に潜む光と影のダイナミズムを鮮やかに描き出しています。

平の作品は日常の中にある美と価値を見つけ出し、その美を観客に提供することで、私たちの視点を変える力を持っています。エスカレーターをモチーフに描くことで、日常風景の奥深さや普遍性を浮かび上がらせ、鑑賞者に新たな視点を与えることができるのです。
エスカレーターシリーズ9点を中心に新作12点の紹介になります。

TOKYO GENDAI 2023

July 7 Fri – July 9 Sun 2023

Yoshiaki Inoue Galleryは、長年お互いに刺激し合い、支え合って活動されてきた素晴らしいお二人をこの新しいアートフェアでご紹介致します。
We are participating in TOKYO GENDAI 2023 (7/7-9)
Artists: Sadamasa Motonaga/元永定正 & Etsuko Nakatsuji/中辻悦子

TOKYO GENDAI 2023
パシフィコ横浜/PACIFICO Yokohama
View Map
booth#: E01
https://tokyogendai.com/

井上廣子/Hiroko Inoue「Being the Stream」

June. 2 Fri. -June. 24. 2023

アーティスト井上廣子は写真やビデオで≪人間の意識の奥深くにある心の傷≫に関する作品の制作をしてきた。今、現代の目撃者として≪人間、文明、自然≫の緊張関係に関心を持って作品制作をしている。気候変動やパンデミックにより浮上し、グローバルな消費主義に向けられたこの緊張関係は劇的な転換点にある (Daily Mirror紙より)
今展では、写真とビデオでこのトピックにアプローチします。

詫摩昭人/Akihito TAKUMA solo exhibition at Tokyo

April. 25 Tue. -May. 14. 2023

詫摩昭人「逃走の線:”The battle is decided in an instant, but I seem to lose most of the time.”」
by Yoshiaki Inoue Gallery
会場:CADAN有楽町

詫摩昭人は1966年熊本生まれ。フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze) の「逃走線」を引用して二項対立をすり抜けるコンセプトで絵画制作を続けています。絵具の乾かぬうちに自作の長いブラシでキャンバス全体を天辺から一気に擦りおろし、現れた画面に対立軸をなだらかに混ざり合わせたと実感できた時のみ自身の作品は完成となります。今回は昨年より発表を開始したカラー作品の新作をご紹介します。
(本展は東京有楽町駅近くのCADAN有楽町で開催されます)