Takesada Matsutani & Kate Van Houten – New Prints

September. 4 Mon. – September. 26.Tue. 2023

元具体美術協会のメンバーであった松谷はパリを拠点に半世紀以上にわたる活動をしており、ボンド(ビニール接着剤)を流し盛り上がったキャンバスを鉛筆で黒く塗りつぶす作品が松谷の代名詞となっています。
また、松谷は版画にも力を入れて制作しており、1967年にイギリス出身の銅版画家S.W.ヘイタ-がパリで運営する「アトリエ17」という版画工房に入り、銅版画を学びます。その時期にケイトと出会いともに版画を制作します。1969年の後半頃からはシルクスクリーンの制作も行い、1970年にアトリエ17を辞してパリ14区のモンパルナスに自らの版画工房を作り、スペイン国際版画展をはじめポーランドのクラコウ版画ビエンナーレなど、数多くの国際版画展で入賞しています。
今回の新作版画はケイトと共にパリのモレ版画工房で制作しています。
松谷の精巧な技術と版画に対する深い造詣が作品にどのように反映されるのか、そしてケイトの繊細な表現力がどのように対話するのか、今展は両アーティストの個性と才能をご覧いただく良い機会となるでしょう。

松谷武判/ Takesada MATSUTANI

April. 1 Sat - April. 24 Mon, 2023

松谷武判は、ビニール系接着剤をキャンバスに大量に流し、扇風機やドライヤーで急激に乾かすことで有機的で官能的な造形を、平面に立体的に表現し、新しい絵画の可能性を示すものとして高く評価され、26歳で具体美術協会会員となり、29歳でフランス政府給費留学生として1966年に渡仏、その後パリのアトリエを拠点に制作を続ける。
2017年のヴェネツィア・ビエンナーレではメインセクション、2019年ポンピドゥーセンターでの個展と世界の第一線で活躍中。
ボンドの膨らみを使って有機的に表現された作品は、黒鉛が持つ鈍い光や独特の色彩で私たちを大いに魅了します。1980年代から2000年初頭の作品を中心に松谷の描く黒と白の世界をご堪能ください。